新年会で販売成績の優秀代理店10店舗を表彰し、その際、取扱商品を賞品として交付しました。この場合、どのような経理処理をしますか?
専属特売店等に対し、販売促進の目的で交付先において棚卸資産又は固定資産として販売又は使用することが明らかな物品(事業用資産)を交付する場合の費用は、交際費としないこととされています。
この場合は、販売促進費として経理処理してください。
従来から商品の売上時期は、商品を出荷した日にしていましたが、商品の到着についてトラブルが発生しやすい遠隔地の得意先については、相手方が商品を検収した日に売上げを計上するようにしたいのですが、問題ないでしょうか?
売上の計上時期については、出荷日に計上する出荷基準のほかに、特定の得意先に対して検収日に計上する検収基準を適用することは、それが、合理的であると認められ、さらに継続適用しているのであれば問題ありません。
商品等の販売による売上の計上時期はその商品等を相手方に「引渡しがあった日」の属する事業年度とされています。この「引渡しの日」がいつであるかについては、出荷した日、相手方が検収した日など、商品等の種類および性質、その販売に係る契約の内容などに応じ、その引渡し日として合理的である日のうち、法人が継続して適用している日によるものとされています。
当社は同種販売業界の団体に加入しています。加入した団体から要請されて会費を納入していますが、この会費の取扱いについて教えてください。
同業種団体に支払う会費についての取扱いは、次のとおり示されています。
  1. 通常会費
    通常会費とは同業種団体等が、その構成員のために行なう広報活動、調査研究、研修指導、福利厚生、その他同業種団体として通常の業務運営のために経常的に要する費用の分担額として支出する費用をいいます。支出した日の属する事業年度の損金に加算されます。ただし、同業種団体等において、その受入れた通常会費、不当に多額の余剰金が生じているとみとめられた場合には、当該余剰金が生じた時以後に支出する通常会費については、当該余剰金が適正な額になるまでは、前払い費用として、損金の額に算入されません。
  2. その他会費
    その他会費とは同業種団体が次にあげるような目的のために支出する費用の分担額として支出する費用をいいます。支出したときは前払費用とし、当該同業種団体がこれらの支出した日にその費途に応じて会費を負担した貴社が支出したものとされます。例えば、3月決算の法人が秋に行なう同業種団体の懇親会の費用を3月末に支出したとすると、その期は前払費用とし、翌期において交際費に振替る処理をすることになります。その他会費に該当する場合の、貴社の経理処理の取扱いは次のとおりです。

    • ①会館、その他特別な施設の取得または改良 → 繰延資産
    • ②会員相互の共済 → 福利厚生費
    • ③会員相互または業界の関与先等との懇親等 → 交際費等
    • ④政治献金、その他寄付 → 寄附金
当社は9月決算ですが、固定資産税の第3期および第4期分(12月、翌年2月が納付期限)について、決算時に未払費用として計上できますか?
未払計上することができます。賦課課税方式による固定資産税等については、原則として賦課決定のあった日の属する事業年度の損金に算入されます。
ただし、法人がその納付すべき税額について、その納期の開始の日(納期が分割して定められているものについては、それぞれの納期の開始の日)、あるいは実際に納付した日の属する事業年度において損金経理をした場合には、その事業年度の損金とされます。
商品の卸売を営んでいる会社です。商品の販売に係る売上割戻しの金額の計上時期について教えてください。
商品の販売に係る売上割戻しの金額の計上時期は、次のとおり取扱われています。

【売上割戻しの金額の計上時期】

  1. 収益認識会計基準を適用する場合
    次の要件をすべて満たすときは、引渡しを行った事業年度に満たさないときは、売上割戻しが確定した事業年度で収益を減額する。
    ① 売上割戻しの内容等が、契約や取引慣行などにより相手方に明らかにされていること又は、引渡しを行った事業年度終了の日において内部的に決定されていること。
    ② 過去の実績等による合理的な方法のうち、継続して適用されている方法により発生可能性や基礎数値を見積り、その見積りに基づき算定されていること。
    ③ ①及び②の根拠書類が保存されていること。
  2. 従来の会計基準を適用する場合
  3. 売上割戻しについて、通知をした日又は、支払いをした日に収益を減額する。ただし、相手方との契約等により、一定期間支払いをしないなど、相手方が実質的に利益を享受できない売上割戻しの場合には、通知した日ではなく、実際に支払った日に収益を減額する。

従業員が配達中に交通事故をおこし、相手方に損害を与えてしまいました。この損害に対して賠償金を支払った場合、損金になるのでしょうか?
従業員がした行為によって相手方に与えた損害について、法人がその賠償金を支出したときは、次のとおり取扱われています。
  1. その損害賠償金の対象となった行為等が業務遂行に関連するものであり、かつ、故意または重大な過失に基づかないものである場合には、その損害賠償金は給与以外の損金に算入する
  2. その損害賠償金の対象となった行為等が法人の業務遂行に関連するものであるが、故意または重大な過失に基づくものである場合または法人の業務に関連しないものである場合には、その支出した損害賠償金に相当する金額は当該役員または使用人に対する債権とする。
物品を販売している会社です。車の運転免許がなければ営業担当者としての業務に支障が生じるため、新しく採用した営業担当者に自動車の免許を取得するための費用を負担してやりたいと考えています。この費用については、当該担当者に対する給与として課税しなければいけないのでしょうか?
負担した額が職務に直接必要な技術や知識を習得させるための費用で、適正なものであれば給与として課税する必要はありません。
会社がその業務遂行上の必要に基づいて、役員または使用人に、その役員または使用人としての職務に直接必要な技術や知識を習得させたり、免許や資格を取得させたりするための研修会、講習会などの出席費用にあてるための金銭については、これらの費用として適正なものであれば、給与として課税する必要はありません。
当社では、役員または使用人に対して取扱っている商品の値引販売を行っています。値引販売によって役員または使用人が受ける経済的利益について、給与として課税されるのでしょうか?
会社が役員または使用人に対し自己が取扱っている商品等の値引販売をすることにより、その役員または使用人が受ける経済的利益は、次のすべての要件を満たしている場合は課税されません。
  1. 値引販売の価額が、会社が取得した価額以上で、通常他に販売する価額のおおむね70%以上であること。
  2. 値引率が役員や使用人について一律に、または役員や使用人の地位、勤続年数などに応じて全体として合理的なバランスが保たれる範囲内で格差が定められていること。
  3. 値引販売をする商品等の数量は、一般の消費者が家事のため通常消費すると認められる程度のものであること。
当社では、この度、従業員に制服を支給したいと考えています。この制服について、現物給与として課税しなければいけないのでしょうか?
事務服として適当のものであり、職務の性質上、欠くことのできない給与所得者が使用者から支給される制服は課税されないこととなっています。
ご質問の内容だけで判断すると、この場合の制服は職務の性質上、欠くことのできない給与所得者へ支給する制服とはいえないでしょう。ただし、事務服として適当のもので、一見して貴社の従業員と分かるもので、専ら勤務場所のみにおいてのみ着用するものであれば、課税されません。
この度、臨時のパートタイマーとアルバイトを採用しました。支払う賃金について所得税の課税関係が生ずると思われますが、具体的にどのように取り扱ったらいいでしょうか?
パートタイマーやアルバイトなどを雇用し、それらの者に支払った賃金も源泉徴収の対象となります。この場合は、次のとおり源泉徴収税額を計算することになります。
  1. あらかじめ定められた雇用期間が2ヶ月以内で、働いた日や時間によって計算して支払う賃金については「給与所得の源泉徴収税額表」の日額表丙欄を適用して税額を計算します。
  2. 1.に該当していたが、雇用期間を延長し、同一の雇用主のもとに継続して2ヶ月を超えて雇われているときは次のとおりです。
    • ①その者から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が提出されたとき。 月ごと支払……月額表の甲欄を適用して税額を計算します。
    • ②①の申告書の提出がないとき。 月ごと支払……月額表の乙欄を適用して税額を計算します。
当社では役員および全従業員を対象として2泊3日の慰安旅行を実施することにしました。
この費用は、給与として課税しなければならないのでしょうか?
従業員レクリエーション旅行や研修旅行を行った場合、使用者が負担した費用が参加した人の給与として課税されるかどうかは、その旅行の条件を総合的に勘案して判定します。
従業員レクリエーション旅行の場合は、その旅行によって従業員に供与する経済的利益の額が少額の現物給与は強いて課税しないという少額不追及の趣旨を逸脱しないものであると認められ、かつ、その旅行が次のいずれの要件も満たすものであるときは、原則として、その旅行の費用を旅行に参加した人の給与としなくてもよいことになっています。

(1)旅行の期間が4泊5日以内であること。
  海外旅行の場合には、外国での滞在日数が4泊5日以内であること。

(2)旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること。
  工場や支店ごとに行う旅行は、それぞれの職場ごとの人数の50%以上が参加することが必要です。

(注)上記いずれの要件も満たしている旅行であっても、自己の都合で旅行に参加しなかった人に金銭を支給する場合には、参加者と不参加者の全員にその不参加者に対して支給する金銭の額に相当する額の給与の支給があったものとされます。

当社の商品を販売する外交員に対しての報酬として固定給と歩合給および販売活動に係る旅費(実費)を支払っていますが、外交員報酬として源泉徴収すべきでしょうか?
外交員に支払われる報酬については、その区分に応じて次のとおり取扱われます。
  1. その報酬が、職務を行うための旅費と、それ以外の部分とが明らかに区分されている場合。
    → 旅費は非課税、それ以外は給与所得
  2. 1.以外の場合で、その報酬が固定給とそれ以外の部分とに明らかに区分されている場合。
    → 固定給は給与所得、それ以外は外交員報酬
  3. 1.および2.以外の場合。
    役務を提供するための旅費等の多寡、その他の事情を総合勘案して、給与か外交員報酬かを判断する。