実践経営情報

2023.1.17
AIを活用したチャットボット 22年分確定申告対応の相談開始

 エンジェル税制は、一定のスタートアップ企業(特定中小会社)へ投資した個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度。その年の株式譲渡益から対象企業への投資額を全額控除できるため、投資時点では控除した部分について所得税がいっさい発生しない。ところが、この制度の適用を受けて株式譲渡益から控除した金額は、取得した特定中小会社株式の取得価額から控除されてしまうため、将来その株式を売却したときの売却益が大きく計算される。つまりこの制度は、納税額を直接減免するものではなく、あくまで課税を繰延べる制度なのだ。同税制は「最終的には税金を精算する必要がある制度」であることからあまり利用されておらず、スタートアップ企業への投資を促す役割を十分に果たせていない。そこで令和5年度税制改正では制度が大幅に拡充されることになった。
 現行制度では、特例の適用を受けた全額を特定中小会社株式の取得費用から控除するため、実質的には課税の繰延効果しかないが、改正後は「その年の株式等に係る譲渡所得のうち20億円を超える部分」のみを控除することになる。そのため、後に特定中小会社株式を譲渡した場合の譲渡益については20億円までの部分が非課税となる。制度適用には「株式の発行会社が設立5年未満である」など複数の要件があるものの、M&AやIPOによって大きな利益を得た個人投資家にとって特にメリットが大きいため、スタートアップ投資を大きく促進する制度として早くも注目が集まっている。

2023.1.10
インボイス制度を見直す税制改正 納付税額を消費税額の2割に軽減

 適格請求書等保存方式(インボイス制度)は今年10月にスタートするが、2023年度税制改正では、その円滑な実施に向けた見直しが行われる。まず、免税事業者から消費税を納める課税事業者となる事業者の負担を軽減する緩和措置として、2023年10月1日から2026年9月30日までの日の属する各課税期間までに新たに課税事業者となる場合は、納付税額をその課税標準額に対する消費税額の2割に軽減する経過措置が設けられる。
 次に、基準期間における課税売上高1億円以下又は特定期間における課税売上高が5000万円以下の事業者が、2023年10月1日から2029年9月30日までの6年間に行う課税仕入について、その課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみを保存すればインボイスがなくても仕入税額控除を行う経過措置が講じられる。これは、小規模事業者である買手の事務負担軽減措置だ。
 インボイス発行事業者登録制度については、免税事業者がインボイス発行事業者の登録申請書を提出し、課税期間の初日から登録を受けようとする場合には、その課税期間の初日から起算して15日前の日(現行は、その課税期間の初日の前日から起算して1月前の日)までに登録申請書を提出しなければならないこととする。この場合に、その課税期間の初日後に登録されたときは、同日に登録を受けたものとみなされる。