実践経営情報

2024.4.30
路線価は7月1日に公表の予定 注目される公示地価上昇の影響

 国税庁はこのほど、2024年分の路線価は、7月1日(月)11時から全国の国税局・税務署で公表される予定であることを発表した。路線価は、相続税や贈与税における土地等の評価額算定の際の基準となるもの。昨年7月に公表された2023年分の路線価では、標準宅地の前年比の変動率の平均は+1.5%と2年連続で上昇した。今回は、新型コロナ感染症の影響の沈静化やインバウンドの増加などもあり、路線価の動きが注目される。
 路線価は、1月1日を評価時点に、公示価格の8割程度が目安とされている。今年1月1日時点の公示地価は国土交通省が今年3月に公表したが、商業・工業・住宅の全用途(全国)で2.3%のプラスと3年連続上昇、地方圏でも上昇率が拡大傾向となるなど、上昇基調を強めている。住宅地は2.0%プラス、商業地も3.1%プラスと、ともに3年連続で上昇した。こうした公示地価の状況のなか、路線価がどうなるのか注目されるところだ。
 この路線価の公表は、古くは国税局・税務署に備え付けられていった紙による路線価図等(冊子)で行われていたが、現在はIT化、ペーパレス化によって紙を廃止し、国税局や税務署の窓口には、路線価図等閲覧用のパソコンが設置されている。混雑時は待つ必要も出てくるが、自宅や会社のパソコンから国税庁のホームページの「路線価図等の閲覧コーナー」にアクセスすれば、従来どおり、全国の過去7年分の路線価図等を見ることができる。

2024.4.23
一般会計予算成立で財政報告公表 24年度予算規模112兆5717億円

 財務省は、2024年度予算が3月28日に成立したことを受けて、2024年度財政法第46条に基づく国民への財政報告を公表した。それによると、2024年度一般会計予算の規模は、2023年度当初予算額に対して1兆8095億円(1.6%)減の112兆5717億円となる。うち一般歳出の規模は、2023年度当初予算額に対して4兆9554億円(6.8%)減の67兆7764億円となっている。また、2024年度経済見通しによる国民総生産(名目)は、2023年度実績見込みに比べて3.0%程度増の615.3兆円となる。
 一般会計歳出予算の主要経費別内訳をみると、「社会保障関係費」が37兆7193億円(伸び率2.3%増)で全体の33.5%を占めて最も多く、次いで、「国債費」27兆90億円(同7.0%増、構成比24.0%)、「地方交付税交付金等」17兆7863億円(同8.5%増、同15.8%)、防衛力強化資金繰入(3兆3806億円)を除く「防衛関係費」7兆9172億円(同16.6%増、同7.0%)などが続いている。
 一方、一般会計歳入予算は、租税及び印紙収入が、税制改正前による場合、2023年度補正後予算額に対して2兆3570億円増の71兆9680億円と見込まれるが、個人所得課税(▲2兆3600億円)や法人課税(▲2兆3050億円)などの税制改正を行うこととしている結果、2023年度補正後予算額に対して30億円減の69兆6080億円になる見込み。また、その他収入は、同1兆8035億円(19.4%)減の7兆5147億円になると見込まれている。

2024.4.16
2024年度税制改正法案が成立! 所得税の定額減税の実施など

 2024年度税制改正における所得税法等の一部改正法案及び地方税法等の一部改正法案が3月28日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。両法律案は、一部を除き、2024年4月1日から施行する。所得税法等の一部を改正する法律案は、賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、物価上昇を上回る持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指す観点から、所得税の定額減税の実施や、賃上げ促進税制の強化等を行う。
 個人所得課税では、所得税の定額減税がある。居住者の2024年分の所得税額から、居住者並びに配偶者及び扶養親族1人につき3万円を控除するが、合計所得金額1805万円以下の場合のみ対象となる。ストックオプション税制の利便性向上を図り、スタートアップが付与したものについて、年間権利行使価額の限度額を最大3600万円に引き上げる。住宅ローン控除を拡充する(2024年分につき子育て世帯の借入限度額上乗せ等)。
 法人課税では、賃上げ促進税制を強化する。従来の大企業向けの措置について、税額控除率の上乗せ措置等を見直し、適用期限を3年延長。中堅企業向けの新たな措置を創設。中小企業向けの措置について、5年間の繰越控除制度を創設し、適用期限を3年延長。教育訓練費に係る税額控除率の上乗せ措置についての適用要件を緩和。子育てとの両立支援や女性活躍支援に積極的な企業への税額控除率の上乗せ措置を創設する。

2024.4.09
4月から始まる自動ダイレクト! 法定納期限当日は納税額制限に注意

 国税庁が自動ダイレクトの開始をPRしている。自動ダイレクトとは、e-Taxの申告等データを送信する画面で「自動ダイレクトを利用する」旨の項目が表示されるので、チェックを入れて送信すると、申告等データの送信と併せてダイレクト納付の手続きができる機能だ。自動ダイレクトを利用すると、口座引落日は各申告手続きの法定納期限となり、法定納期限に自動ダイレクトの手続きをした場合は、その翌取引日に口座引落しされる。
 自動ダイレクトは、2024年4月1日以降、法定納期限が到来する申告手続き、法定納期限内に申告手続きをする場合、のすべての条件に該当する場合に利用できる。また、利用に当たって、法定納期限当日に自動ダイレクトの手続きをした場合は、納税額に制限があるので注意が必要だ。例えば、法定納期限当日に申告手続きをする日が2024年4月1日から2026年3月31日までは納税額が1000万円以下の制限がある。
 ダイレクト納付を利用した予納については、ダイレクト納付の利用者であれば、確定申告により納付することが見込まれる金額について、その課税期間中に、あらかじめ納付日と納付金額等をダイレクト納付画面により登録しておけば、登録した納付日に預貯金口座から振替により納付(予納)ができる。納付日や納付金額が複数登録できるので、定期的に均等額を納付することや、収入に応じた任意のタイミングでの納付ができる。

2024.4.02
2024年の公示地価は3年連続上昇 三大都市圏・地方圏とも上昇継続

 国土交通省が26日に公表した2024年1月1日時点の地価公示によると、商業・工業・住宅の全国全用途平均で2.3%のプラス(前年1.6%)と3年連続で上昇した。上昇率はバブル期以来33年ぶりの高さ。住宅地は2.0%(同1.4%)、商業地は3.1%(同1.8%)とともに3年連続で上昇。三大都市圏・地方圏ともに上昇が継続するとともに、三大都市圏では上昇率が拡大し、地方圏でも上昇率が拡大傾向となるなど、上昇基調を強めている。
 国交省では、住宅地について、(1)都市中心部や、利便性・住環境に優れた地域などでは住宅需要は堅調であり、地価上昇が継続している、(2)三大都市圏や地方四市の中心部における地価上昇に伴い、周辺部においても上昇の範囲が拡大しており、特に地方四市の周辺の市等では、高い上昇となった地点が見られる、(3)鉄道新路線等の開業による交通利便性の向上などを受け、上昇率が拡大した地点が見られる、などの特徴を示している。
 商業地については、(1)都市部を中心に、人流回復を受けて店舗需要の回復傾向が続いたほか、オフィス需要も底堅く推移したことなどから、地価の回復傾向が進んでいる、(2)再開発事業等が進展している地域では、利便性や賑わいの向上への期待感などから、地価上昇が継続している、としている。
 なお、全国の最高額は18年連続で東京都中央区銀座4の「山野楽器銀座本店」で、1平方メートル当たり5570万円、前年比3.5%上昇した。

2024.3.26
確定申告を間違えたときの対応は 早めの更正の請求や修正申告を!

 確定申告を終えてホッとしている方も多いと思われるが、法定申告期限後に計算違いなど、申告内容の間違いに気が付いた場合、納める税金が多過ぎた場合や還付される税金が少な過ぎた場合、納める税金が少な過ぎた場合や還付される税金が多過ぎた場合には、訂正して更正の請求や修正申告をする必要がある。国税庁HPの「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」を利用すれば、税額などが自動計算され、修正申告書等が簡単に作成できる。
 納める税金が多過ぎた場合や還付される税金が少な過ぎた場合は、更正の請求という手続きができる場合がある。この手続きは、更正の請求書を税務署長に提出することにより行う。更正の請求書が提出されると、税務署ではその内容の検討をして、納め過ぎの税金がある等と認めた場合には、減額更正をして税金を還付または純損失の金額を増加することになる。更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内だ。
 一方、納める税金が少な過ぎた場合や還付される税金が多過ぎた場合には、修正申告により誤った内容を訂正することになる。
 修正申告をする場合の注意点としては、誤りに気がついたらできるだけ早く修正申告することがある。というのも、税務署の調査を受けた後で修正申告をしたり、税務署から申告税額の更正を受けたりすると、新たに納める税金のほかに過少申告加算税がかかるからだ。

2024.3.12
事業承継特例に関する実態調査 「利用・検討した」企業は26.4%

 東京商工会議所が発表した「中小企業の事業承継に関する実態調査」結果(有効回答数1661社)によると、中小企業の事業承継の現状は、後継者(候補含む)がいる企業は約5割(53.5%)だったが、これらの企業の26.4%が法人版事業承継税制特例措置を「利用・検討したことがある」ことが分かった。内訳は、「事業承継税制の適用を受けている」が3.1%、「特例承認計画を提出したが、猶予はまだ受けていない」が4.4%など。
 一方で、「事業承継税制を知らない」と回答した企業が4割(39.6%)あった。これらの企業の事業承継の課題(複数回答)は、「借入金・債務保証の引継ぎ」が39.9%で最も多く、次いで「後継者への株式の移転」(34.7%)、「自社株の評価額の高さ」(16.1%)などが続いた。自社株評価の実施状況をみると、「事業承継税制を知らない」企業の42.8%が「評価したことがない」と回答している。
 また、後継者(候補含む)がいて、特例承認計画の提出を検討中の企業(11.7%)においても、「特例承認計画を提出する目途がついていない」企業が55.2%と半数を超えた。
 これらの企業が税制を検討する中での制度上の障壁(複数回答)は、「適用期限(2027年12月)までに事業承継が完了できない」が30.2%、自社の障壁では、「後継者候補はいるが、経営者としての人材育成が終わっていない」が53.5%でともに最多だった。

2024.3.05
インボイス制度の対応は概ね完了 課題は「業務負荷の増加」が最多

 大同生命が全国の中小企業経営者を対象に1月に実施した「インボイス制度への対応調査」結果(有効回答数7581社)によると、インボイス制度に「対応できている」と回答した企業は88%となり、対応は概ね完了していることが分かった。インボイス制度導入による課題(複数回答)としては、「業務負担の増加」が51%と最も多く、次いで「経営者や担当者の理解・連携不足」(19%)が続いた。「特に課題はない」は32%だった。
 インボイス発行事業者として登録していない取引に「登録を依頼する」と回答した企業は27%、「検討中」は25%。「登録を依頼しない」企業は23%、「該当なし」は25%だった。
 インボイス制度に関する相談相手(複数回答)としては、「顧問税理士」が85%と突出して最も多く、次いで「経営者仲間」、「税務署」、「商工会・商工会議所」、「インターネット」と回答した企業が7%、「金融機関」が5%で続いた。
 また、本年1月から「電子取引の電子データの保存」が完全義務化されたが、その認知度は、「内容を知っている」と回答した企業は65%、「義務化されたことは知っているが、内容は知らない」が29%だった。電子帳簿保存法に対応しない罰則については、「内容を知っている」は27%にとどまる一方、「罰則があることを知らなかった」企業が33%となり、電子データ保存の義務化を知っている企業でも22%となった。

2024.2.27
少額減価償却資産特例を2年延長 常時使用従業員数300人超を除外

 2024年度税制改正においては、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、対象法人から電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により法人税の確定申告書等に記載すべきものとされる事項を提供しなければならない法人のうち、常時使用する従業員の数が300人を超えるものを除外した上、その適用期限が2年延長される(適用期限の延長は、所得税についても同様)。
 中小企業者等が、取得価額が30万円未満である「少額減価償却資産」を取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を全額損金の額に算入(即時償却)することができる。この特例の対象となる法人は中小企業者または農業協同組合等で、青色申告法人のうち、常時使用する従業員の数が500人以下の法人(「中小企業者等」)に限られる。
 この特例の対象となる資産は、取得価額が30万円未満の減価償却資産だが、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円(事業年度が1年に満たない場合には300万円を12で除し、これにその事業年度の月数を掛けた金額)を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となる。
 特例の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の特別償却、税額控除、圧縮記帳と重複適用はできない。

2024.2.20
国民負担率は45.1%となる見通し 租税負担率26.7%で2年連続低下

 財務省は、国民負担率が、2024年度予算では23年度実績見込みから1.0ポイント減の45.1%と3年連続低下する見通しと発表した。国民負担率とは、国民所得に対する税金や社会保障(年金・健康保険などの保険料)の負担割合。24年度見通しの内訳は、国税16.9%、地方税9.9%で租税負担率が26.7%、社会保障負担率は18.4%。国民所得の伸びが大きく、社会保障負担も微減する見通しで、国民負担率を引き下げた。
 2023年度実績見込みに比べ、租税負担率は0.8ポイント減(国税:0.4ポイント減、地方税:0.3ポイント減)と2年連続で低下、社会保障負担率も0.2ポイント減の微減で4年連続で低下した。国民負担率を諸外国の2021年実績で比べた場合、日本(2021年度48.1%)は、米国(33.9%)や英国(47.6%)よりは高いが、フランス(68.0%)、スウェーデン(55.0%)、ドイツ(54.9%)よりは低い。
 真の負担率は、財政赤字という形で将来世代へ先送りしている負担額を加える必要がある。財務省によると、2024年度の国民所得(23年度に比べ11万8千円増の443万4千円の見通し)に対する財政赤字の割合は、前年度から2.7ポイント減の5.8%となる見通し。
 この結果、24年度の国民負担率に財政赤字を加えた「潜在的な国民負担率」は、23年度実績見込みからは3.7ポイント減の50.9%だが、過去5番目に高い見通し。

2024.2.13
国外財産調書、1.2万件、5.7兆円 提出件数・総財産額とも過去最多

 国外財産の保有が増加傾向にあるなか、国外財産に係る所得税や相続税の課税の適正化が喫緊の課題となっていることから、納税者本人から国外財産の保有について申告を求める仕組みとして、2012年度税制改正において国外財産調書の提出制度が創設され、2014年1月から施行された(初回の調書は2013年分)。国税庁はこのほど、国外財産調書制度創設後10年目となる2022年分の国外財産調書の提出状況を公表した。
 2022年分(2022年12月31日時点の国外財産の保有状況を記載した)国外財産調書は、昨年6月30日を期限に提出されているが、提出件数は前年比3.2%増の1万2494件で9年連続増加、その総財産額は同1.5%増の5兆7222億円で、提出件数・総財産額とも過去最多となった。局別では、「東京局」7900件(構成比63.2%)、「大阪局」1867件(同14.9%)、「名古屋局」861件(同6.9%)の順に多く、この都市局3局で8割半ばを占めた。
 総財産額でみると、「東京局」は4兆3549億円にのぼり、全体の76.1%を占め、東京・大阪(12.2%)・名古屋(3.9%)の3局で9割強を占める。
 また、財産の種類別総額では、「有価証券」が60.4%を占める3兆4569億円で最多、「預貯金」7775億円(構成比13.6%)、「建物」4842億円(同8.5%)、「貸付金」1754億円(同3.1%)、「土地」1568億円(同2.7%)のほか、「それ以外の財産」が6713億円(同11.7%)となっている。

2024.2.06
法人版事業承継税制等の見直し 承継計画の提出期限を2年延長

 2024年度税制改正では、法人版事業承継税制における特例承継計画の提出期限が2026年3月末まで2年間、また、個人版事業承継税制における個人事業承継計画の提出期限についても2年間それぞれ延長される。
 法人版事業承継税制は、2018年度税制改正において、2018年1月から10年間の特例措置として、2024年3月末までに特例承継計画の提出がなされた事業承継について抜本的拡充を行われている。
 具体的には、10年間の措置として、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限(総株式数の3分の2まで)の撤廃や、納税猶予割合の引上げ(80%から100%)等がされた特例措置が創設された。
 2024年度税制改正では、この特例措置について、コロナの影響が長期化したことを踏まえ、会社の後継者や承継時までの経営見通し等を記載した「特例承継計画」の提出期限が2026年3月末まで2年延長される。
 この特例措置は、日本経済の基盤である中小企業の円滑な世代交代を通じた生産性向上が待ったなしの課題であるために事業承継を集中的に進める観点の下、贈与・相続時の税負担が生じない制度とするなど、極めて異例の時限措置としていることを踏まえ、2027年12 月末までの適用期限については今後とも延長を行わない。あわせて、個人版事業承継税制における個人事業承継計画の提出期限についても2年延長される。

2024.1.30
所得税・個人住民税の定額減税 6月以降の源泉徴収等から実施

 2024年度税制改正の柱の一つに所得税・個人住民税の定額減税がある。与党税制改正大綱によると、2024年度税制改正の基本的な考え方として、物価上昇を上回る賃金上昇の実現を最優先の課題としており、所得税・個人住民税の定額減税を実施し、賃金上昇と相まって、国民所得の伸びが物価上昇を上回る状況をつくり、デフレマインドの払拭と好循環の実現につなげていくとしている。
 具体的には、納税者(合計所得金額1805万円超(給与収入のみの場合、給与収入2000万円超に相当)の高額所得者については対象外とする)及び配偶者を含めた扶養家族1人につき、2024年分の所得税3万円、2024年度分の個人住民税1万円の減税を行うこととし、2024年6月以降の源泉徴収・特別徴収等、実務上できる限り速やかに実施する。例えば、夫婦と子供2人の4人世帯であれば計16万円が減税される。
 所得税と住民税の納税額が減税額の4万円に満たないケースでは、減税しきれない差額を1万円単位の給付でまかなう。住民税は納付しているが所得税は非課税というケースでは、1世帯当たり10万円を給付する。住民税も所得税も課税されていないケースでは、1世帯当たり7万円を給付し、物価高対策として決定済みの3万円の給付金と合わせて、1世帯当たり10万円の負担軽減となる。
 所得税の定額減税は6月1日以降最初に支払いを受ける給与等から特別控除相当額を控除する。

2024.1.23
賃上げ促進税制を強化し3年延長 中小企業に5年間の繰越控除創設

 2024年度税制改正の柱の一つは、賃上げ促進税制の強化だ。全法人向けの措置について見直した上で、その適用期限を3年延長する。見直しは、原則の税額控除率を10%(現行15%)に引き下げ、税額控除率の上乗せ措置を、前年度から給与総額を4%以上増やしたら税額控除率に5%を加算する。その増加割合が5%以上の場合は10%、7%以上の場合は15%をそれぞれ加算する。この結果、賃上げのけん引役として期待される常時使用する従業員数2000人超の大企業は、継続雇用者の給与等支給額の増加に応じた控除率の上乗せについて、さらに高い賃上げ率の要件が創設され、従来の3%以上、4%以上に加え、5%以上、さらには7%以上の枠が設けられ、賃上げを促していく。
 税額控除率の上乗せ措置には、従来からある教育訓練費の実施に加えて、女性活躍、子育て環境整備の要件であるプラチナくるみん認定又はプラチナえるぼし認定を受けている場合には、税額控除率に5%を加算する措置が創設される。
 中小企業の場合は、新たに5年間の繰越控除制度を創設し、赤字企業に対しても賃上げにチャレンジする後押しをする。賃上げに伴う税額控除は、給与総額を1.5%以上増やせば増加分の15%を、2.5%以上増やせば30%をそれぞれ控除。また、教育訓練費に係る上乗せ措置は増加割合が5%以上であれば10%加算する。この結果、子育てに係る5%加算を加えれば、最大45%が控除できるようになる。

2024.1.16
交際費非課税の飲食費上限見直し 5000円を「1万円以下」に引上げ

 2024年度税制改正においては、地方活性化の中心的役割を担う中小企業の経済活動の活性化や、「安いニッポン」の指摘に象徴される飲食料費に係るデフレマインドを払拭する観点から、交際費課税の見直しが行われる。  具体的には、損金不算入となる交際費等の範囲から除外される一定の飲食費に係る金額基準について、会議費の実態を踏まえ、現行の1人当たり5000円以下から「1万円以下」に引き上げられる。
 また、接待飲食費に係る損金算入の特例及び中小法人に係る損金算入の特例の適用期限が3年延長される。
 現行の接待飲食費は、社内飲食費を除いた交際費に含まれる「飲食費」について、定められた項目を記載した帳簿上の飲食費(「接待飲食費」と仕訳したもの)であれば、その額の50%を損金に算入できこととされている特例がある。この特例は、中小企業だけでなく大企業にも適用される。
 中小企業の場合は、上記の(1)交際費等の額のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用の50パーセントに相当する金額を超える部分の金額と、(2)損金不算入額として、交際費等の額のうち、800万円にその事業年度の月数を乗じ、これを12で除して計算した金額(「定額控除限度額」)に達するまでの金額を超える部分の金額、の(1)か(2)のいずれかの金額が損金不算入額となる選択適用が認められている。

2024.1.09
24年度税制改正大綱を公表 平年度で4兆円近い減収見込み

 政府は昨年12月22日、所得税等の定額減税や賃上げ税制の強化などを中心とした税制措置を盛り込んだ2024年度の税制改正大綱を閣議決定した。今年召集予定の通常国会に税制改正法案を提出し、今年度中の成立を目指す。閣議決定された税制改正大綱によると、2024年度税制改正による増減収見込額は、平年度で国税が2兆9010億円の減収、地方税が9733億円の減収となり、平年度で合計3兆8743億円と4兆円近い減収を見込んでいる。
 国税関係での平年度の減収項目は、個人所得課税での「定額減税」の▲2兆3020億円を始め、「住宅ローン控除の拡充」▲290億円、法人課税での「賃上げ促進税制の強化」▲3460億円、「戦略分野国内生産促進税制の創設」▲2190億円、「イノベーションボックス税制の創設」▲230億円など減収項目が並ぶ一方で、増収項目は、「研究開発税制の見直し」(230億円の増収)など少なく、平年度では差し引き▲2兆9010億円の減収となる見込み。
 地方税関係では、個人住民税の「定額減税」の▲9337億円(道府県税3288億円、市町村税6049億円)を始め、国税の税制改正に伴う「個人住民税」▲85億円、「法人住民税」▲247億円、「法人事業税」▲70億円の計▲403億円など減税項目がほとんどを占め、平年度では差し引き9733億円の減収を見込む。このほか、国税の税制改正に伴う特別法人事業譲与税の減収額は平年度▲48億円、初年度▲1億円と見込まれている。