店舗を修繕し、期末までに工事が完成し引き渡されましたが、施工した業者からまだ請求書が届きません。その業者が発行した見積書の金額で当期の未払金として費用に計上できるでしょうか?
その工事が見積もりどおり行われていれば見積金額で損金計上することができます。
一般に損金に算入される費用は、事業年度終了の日までに債務が確定しているものに限られていますが、次の要件すべてに該当するものは、債務が確定しているものと取扱われています。
- 当該費用に係る債務が成立している。
- 当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生している。
- その金額を合理的に算定することができるものである。
グループ店舗内で成績優秀な店舗を表彰し、その際、大型家電製品を景品として交付しました。この場合、どのような経理処理をしますか。
グループ店舗等に対し、取扱数量または取扱金額に応じて、あらかじめ定められたところにより交付する金銭又は事業用資産の費用は、交際費としないこととされています。
この場合は、販売促進費として経理処理してください。
当社は同種販売業界の団体に加入しています。加入した団体から要請されて会費を納入していますが、この会費の取扱いについて教えてください。
同業種団体に支払う会費についての取扱いは、次のとおり示されています。
(1)通常会費
通常会費とは同業種団体等が、その構成員のために行なう広報活動、調査研究、研修指導、福利厚生、その他同業種団体として通常の業務運営のために経常的に要する費用の分担額として支出する費用をいいます。
- 支出した日の属する事業年度の損金に加算されます。ただし、同業種団体等において、その受入れた通常会費、不当に多額の余剰金が生じているとみとめられた場合には、当該余剰金が生じた時以後に支出する通常会費については、当該余剰金が適正な額になるまでは、前払い費用として、損金の額に算入されません。
(2)その他会費
その他会費とは同業種団体が次にあげるような目的のために支出する費用の分担額として支出する費用をいいます。支出したときは前払費用とし、当該同業種団体がこれらの支出した日にその費途に応じて会費を負担した貴社が支出したものとされます。例えば、3月決算の法人が秋に行なう同業種団体の懇親会の費用を3月末に支出したとすると、その期は前払費用とし、翌期において交際費に振替る処理をすることになります。その他会費に該当する場合の、貴社の経理処理の取扱いは次のとおりです。
- 会館、その他特別な施設の取得または改良
→ 繰延資産 - 会員相互の共済
→ 福利厚生費 - 会員相互または業界の関与先等との懇親等
→ 交際費等 - 政治献金、その他寄付
→ 寄附金
当社は9月決済ですが、固定資産税の第3期および第4期分(12月、翌年2月が納付期限)について、決算時に未払費用として計上できますか。
未払計上することができます。
賦課課税方式による固定資産税等については、原則として賦課決定のあった日の属する事業年度の損金に算入されます。ただし、法人がその納付すべき税額について、その納期の開始の日(納期が分割して定められているものについては、それぞれの納期の開始の日)、あるいは実際に納付した日の属する事業年度において損金経理をした場合には、その事業年度の損金とされます。
ソフトウェア制作会社をしていますが、知人からの紹介がきっかけとなり、大口の契約を成立することができました。
情報提供者の知人に謝礼として手数料を支払いたいと考えているのですが、この場合の金銭の取扱いについて教えてください。
会社が取引に関する情報の提供を生業としていない者に対して、情報提供等の対価として金銭等を交付した費用は、原則として交際費等になります。
ただし、次の要件すべてを満たしている場合には、交際費等に該当しないものとして扱われます。
- その金銭等の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。
- 提供を受ける役務の内容が契約によって明らかにされていること。
- 契約によって実際に役務の提供をうけていること。
- 交付した金額等の額がその提供を受けた役務の内容に照らして相当と認められること。
- 支払を受ける者が、その取引に係る相手方の従業員でないこと。
したがって、上記の要件を満たしていない者に対する情報提供料や謝礼金は交際費等になります。
この度、店補の一画に喫煙室を設置するため造作をしました。この造作に係る耐用年数をどのように算定し、償却すればいいのでしょうか?
建物の内部造作については、その造作が建物附属設備に該当するものを除いて、その造作の構造が当該建物の骨格の構造と異なっている場合であっても、それを区分しないでその建物に含めて当該建物の耐用年数を適用します。
ただし、可動間仕切りのように建物附属設備に該当するものは、建物附属設備として、建物の本体と区分して耐用年数を適用することになります。
お店のホームページを制作したいと考えています。制作費用は広告宣伝費として処理すればよいのでしょうか?
広告宣伝費として必要経費になります。
ただし、データーベースやネットワーク等の高度な機能を付加するといったシステム開発やプログラミング等の費用の場合、ホームページとソフトウェアの制作費用と区分して処理します。ソフトウェア費用は無形固定資産として計上し耐用年数に応じて減価償却します。
美容院を経営しています。新しく採用した従業員に資格を取得するための費用を負担してやりたい考えています。
この費用については、当該担当者に対する給与として課税しなければいけないのでしょうか?
負担した額が職務に直接必要な技術や知識を習得させるための費用で、適正なものであれば給与として課税する必要はありません。
会社がその業務遂行上の必要に基づいて、役員または使用人に、その役員または使用人としての職務に直接必要な技術や知識を習得させたり、免許や資格を取得させたりするための研修会、講習会などの出席費用にあてるための金銭については、これらの費用として適正なものであれば、給与として課税する必要はありません。
当社では、この度、従業員に制服を支給したいと考えています。この制服について、現物給与として課税しなければいけないのでしょうか?
作業服として適当のものであり、職務の性質上、欠くことのできない給与所得者が使用者から支給される制服は課税されないこととなっています。
ご質問の内容だけで判断すると、この場合の制服は職務の性質上、欠くことのできない給与所得者へ支給する制服とはいえないでしょう。ただし、作業服として適当のもので、一見して貴社の従業員と分かるもので、専ら勤務場所のみにおいてのみ着用するものであれば、課税されません。
この度、臨時のアルバイトを採用しました。支払う賃金について所得税の課税関係が生ずると思われますが、具体的にどのように取り扱ったらいいでしょうか?
パートタイマーやアルバイトなどを雇用し、それらの者に支払った賃金も源泉徴収の対象となります。
この場合は、次のとおり源泉徴収税額を計算することになります。
- あらかじめ定められた雇用期間が2ヶ月以内で、働いた日や時間によって計算して支払う賃金については「給与所得の源泉徴収税額表」の日額表丙欄を適用して税額を計算します。
- 1.に該当していたが、雇用期間を延長し、同一の雇用主のもとに継続して2ヶ月を超えても雇われているときは次のとおりです。
- (1)その者から「扶養控除等の申請書」が提出されたとき。
月ごと支払…月額表の甲欄を適用して税額を計算します。 - (2)(1)の申告書の提出がないとき。
月ごと支払…月額表の乙欄を適用して税額を計算します。
当社はソフトウェアの製作をしています。ソフトウェアの取得価額に含める費用を教えてください。
ソフトウェアは無形固定資産として取扱われます。
なお、この無形固定資産の取得価額に含まれるものは次のとおりです。
- ソフトウェアの製作のために要した原材料費、労務費および経費。
- 他の者に開発のために支出する費用。
- 事業の用に供するために直接要した費用。
米国人が1年を越える雇用契約で、今月から会社に勤務しており、来月5日に給与を支払いますが、その際、給与の源泉徴収はどのようにするのでしょうか?
給与所得者の扶養控除等申告書の提出を受け、一般の社員と同様に源泉徴収をしてください。
その者が国内において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有することとなるので、居住者となります。なお、在日米国軍隊の構成員、軍属およびこれらの者の家族は、税法上非居住者となりますので非居住者としての源泉徴収をする必要があります。